牧神のささやき
2024年9月16日
皆さんこんにちは!
西峠歯科院長:西峠和宣です
9月も半ばを過ぎて台風シーズンとなりましたが
それにしても毎日まだまだ暑いですね!
「残暑お見舞い申し上げます」と御挨拶を交わす頃合なのですが
果たして残暑の気温なのか…
なんだか分からなくなってしまう今日この頃であります
さて、そんな暑い休日の私は
みんなで河原にバーベキュー!とはいかなくてw
屋内で愛犬るりとまったり平和に映画を見ることが常なのですが
そんな中でも最近、当院をご利用くださる方から
一本の映画を薦めていただいたので早速に鑑賞し
感動ながらに思うところがありましたので記させて頂きます
どうぞ最後までお付き合いくださいませ
映画のタイトルは『パンズ・ラビリンス』
ギレルモ・デル・トロ監督作品、2006年公開のスペイン・メキシコ合作映画
同年度のアカデミー撮影賞・美術賞・メイクアップ賞の三部門を受賞しました
さあ!その『パンズ・ラビリンス』…ジャンルはファンタジーなのですが…
これがなかなか決して子供向け映画ではないのです
あくまで暗くグロテスクで、あるいは非常に残酷です
ファンタジーを物語るほど無粋なものはありませんので
やはりここでもあらすじ紹介は控えますが
しかしながらこの暗いファンタジーを生んだ背景が大切なんだと気づかされます
映画はあくまでもフィクションなのですが、その舞台となったのはスペイン暗黒時代
つまり1930年代…当時のスペインは左派政権に異を発した軍部のフランコ将軍が
ドイツのヒトラーやイタリアのムッソリーニの後押しを受けながら
ファシズム政権の樹立を目論み内戦を繰り広げます
結局は歴史が物語る通りファシズムは淘汰されるのですが
そんな同一国民が敵味方に別れて殺し合うという歴史的事実が
このファンタジー誕生の根底にあるわけです
私がこの映画を鑑賞して思ったのは
人間は耐え難い現実や逃れがたい現実を生きる時
健全的に内面世界への逃避が生まれるものであり
特に現実と空想が交差しやすい幼少期や
喜怒哀楽のコントロールが難しい多感な思春期においては
否応なくファンタジー:幻想や空想に生きる傾向が強くなりやすいと思うのです
大人は現実世界との戦いに全てを囚われてしまうのでしょうが
子供たちは、そんな大人たちに守られ、あるいは虐げられながら
自分たちが創り出したファンタジーの世界に
子供たちながらの様々なハードルを設けて戦うことになるのだと思います
上手に表現できませんが、大なり小なり皆さんにも近い思い出ってないでしょうか?
この映画の物語においては
現実としては内戦に巻き込まれた一人の少女が耐え難い残酷な日々を目の当たりにし
幼い弟を胸に抱いて逃げ出し、そして殺されてしまいます…
しかし、その少女の心の中には大人からは想像もつかない
やはり暗くグロテスクで残酷ながら
美しくピュアで一筋の光に包まれるかのようなファンタジーと共に生きた…
と言えるのではないかと思います
とりとめなく奔放に書かせて頂きましたので
いまいちピンと来ないブログとなってしまい申し訳ありません
しかしながら、もしご興味お持ち頂けるようでしたら
是非ともこの『パンズ・ラビリンス』御覧になって下さい
劇中に流れる『子守歌』に包まれながら
長い余韻に浸っていただきたいと思います
ありがとうございました